きな臭くなってきたぞ
「新」経世済民新聞 三橋貴明 公式チャンネル で次の動画を見た。
この鼎談のメンバーは三橋貴明氏、安藤裕氏、藤井聡氏です。ご存知、反緊縮の旗手の面々です。この中で、自民党の若手議員を中心とした安藤提言が示されています。安藤提言の内容はこうです:
- 30兆円規模の補正予算を編成し、財源には躊躇なく国債を発行してそれに充てること。なお、2025年のプライマリーバランス黒字化目標は当分の間延期すること。
- 被雇用者に対しては十分な休業補償をするとともに、事業者、特に中小企業及び小規模事業者(個人事業主を含む)に対しては、失われた粗利を100%補償する施策を講ずること(特別融資だけでは不十分)。安心して休業できることは、有効な防疫対策にもなる。
- 消費税は当分の間軽減税率を0%とし、全品目軽減税率を適用すること(消費税法の停止でも可)。なお、消費税の減税のタイミングとして6月を目指し、各種調整を速やかに行うこと。
- 従来から存在するあらゆる制度も活用し、資金繰り支援等企業の廃業防止、国民の不安を払拭するために全力で取り組むこと。
- 国土強靭化、教育・科学技術投資、サプライチェーンの再構築、特定国依存型のインバウンドの見直しなど、内需主導型の経済成長を促す政策を検討すること。
最初の項目に、PB(プライマリーバランス)黒字化目標は当分の間延期する、とあります。ま、気持ち的にはPB黒字化目標は廃止するべきだと考えておられると思いますが、内閣への提言の手前、「延期」としているのでしょう。
とにかく、なにをするにも、PB黒字化目標があるかぎり、財政的には何もできません。何かに財政出動をしようとすると、じゃあこれは削れ、あれも削れとなります。
PB黒字化目標は、閣議決定されたものであるため、これを廃止するために国会の議決は不要である。単にもう一度閣議決定で廃止すればよいだけです。
では、なぜそれをしないのか?
それは、現政権が財務省を恐れているからだ、と藤井氏は言う。
財務省の省是は緊縮であり、緊縮に貢献した人が出世する、というのが財務省の文化である。一方、2014年に内閣官房に内閣人事局が設置され、内閣が高級官僚の人事権を持つようになった。だから、現政権がその気になれば、財務省をコントロールすることは可能である。
しかしながら、現政権は財務省を恐れているためそれをしない、というわけである。何を恐れているのかについては、藤井氏はわからないという。
財務省の権力の基は、国税庁である。国税庁は財務省の管轄下にある。財務省の緊縮路線、増税路線に反する報道をしたメスメディアには容赦なく税務調査が入る。会計処理というものは、もともとグレーな部分が多々あり、会計士の裁量によるところが結構あるらしい。そこを国税はついてくるのである。「マスコミ 財務省 税務調査」でググれば、いくらでも出てくる。たとえば、「深く反省」は大嘘! 安倍政権が“忖度官僚”佐川理財局長を国税庁長官に抜擢、税務調査で批判マスコミに報復。
これによって、マスコミは財政破綻論者で溢れかえり、やれ国の借金がー、やれ将来世代へのつけがー、とがなり立て、国民はころっと騙されているのである。
日本の財政破綻がありえないことは、財務省自身がホームページで言明している。にもかかわらず、財政破綻論を振り回し、日本を緊縮で縛り、国民がデフレで苦しもうと、かまわないのが財務省である。
財務省は一旦解体して、別省庁、たとえば経済企画省のようなものにするか、あるいは国税庁を財務省の管轄下から外すべきだと考える。
PB黒字化目標をそのままにしておけば、令和恐慌突入である。
恐慌後の世界
EU諸国も、EUの縛りによって独自の財政政策をとることができない。したがって、欧州も恐慌に陥る可能性が非常に高い。
人類歴史上、恐慌後に独裁国が強くなるという。近いところでは、ドイツのナチス台頭。現代では、中国一強の可能性がある。なにしろ、中国はMMT的政策を取り放題である。中国元を発行しまくり、インフラを強化し、軍事力を増強し、ある意味、(正しい)貨幣論的に最も合理的な政策を取りうる国である。
藤井氏は3年前に、消費増税と五輪後不況によって 2020恐慌は必ず来るという予測をしていた。そして、その後には日本でファシズムが台頭する可能性が十分あるという。
なにやら、きな臭くなってきたぞ・・・