日本経済2020年危機 経済学の「嘘」が日本を滅ぼす

三橋貴明著「日本経済2020年危機 経済学の『嘘』が日本を滅ぼす」(経営科学出版)を読みました。

この本を買ったきっかけは、三橋TVから誘導されたサイトで、メディアが報じない安倍総理の3つの敵、という部分に興味を持ったからです。言外に、安倍首相はやりたい政策が「敵」のせいでできていない、ということを匂わせていると感じました。

安倍首相の3つの敵

さっそく本書で言う3つの的にを説明します。安倍首相の言う3つの敵を知ることになったきっかけを本書から引用します。

内閣官房参与の藤井聡教授(京都大学大学院教授)と、西田昌司参議院議員が、『財務省が日本を滅ぼす』を上梓した筆者との「会食」を首相官邸、安倍総理大臣に持ちかけたところ、何とOKが出たのである。しかも、こちらは、「クローズド(公開しない)な会食でも構わない」
と、提案したのだが、首相官邸側から「オープンでやりたい」との返答が来た。

というのが、きっかけです。本書には、藤井聡教授、三橋貴明氏、安倍首相、西田昌司参議院議員の4人が官邸で写った写真が掲載されています。それで3つの敵とは、次のとおりです。

  • 朝日新聞に代表される、いわゆる反日左翼
  • 財務省
  • 国際金融資本

1つ目は、マスコミですが、森友問題は全マスコミが追求してましたから、なるほどとも思います。しかし、官房機密費なるものがマスコミにばらまかれている、ということも言われていますので、この「敵」は官邸にとっては御しやすいのではないかと思います。

参院選たけなわの今、テレビ局がれいわ新選組の報道をしようとすると上からストップが入るという噂がSNSで流れていますが、マスコミはむしろ官邸の支配に屈していると思います。

2つ目の財務省について引用します。

財務省は「数百人体制」で、国会議員に「ご説明」に回り、虚偽の財政破綻論をすり込んでいく。議員のみならず、財界人、ジャーナリスト、評論家など、財務官僚は「ご説明」により次々と自派に取り込み、財政破綻論を吹聴させるのだ。もちろん、学者たちも財務官僚の手練手管に屈し、経済学的にナンセンスな財政破綻論を新聞紙面やテレビで主張する。

この財務省の活動によって、プライマリー・バランス、緊縮財政へ日本が誘導されている、ということです。本記事執筆時点で、MMTの旗手の一人であるステファニー・ケルトン教授が来日中で、テレビでもMMTが取り上げられるようになりました。はたして、財務省はどう出るのか。

3つ目の国際金融資本ですが、そもそも自民党の出自はCIAの資金提供によります。そして、CIAの背後にはアメリカを実質的に支配している国際金融資本があるわけで、いまさら「敵」というのも変な気がします。

国際金融資本が、1つ目のマスコミを支配しているのは周知の事実。もしかして、財務省の中核をコントロールしていたとしても不思議はありません。ドル防衛のため、しばらく日本経済が復活するのはよろしくないということで。

と考えると最後まで尾を引くのは国際金融資本ですね。国際金融資本⇨アメリカ政府⇨日本政府という支配構造を考えれば、なによりも必要なのは日本の実質的独立です。そこをクリアしないと取りたい政策はできません。

なぜ2020年が危機か

次に、なぜ2020年が危機なのかについては、つぎの3つ挙げています。

  • 消費税増税
  • 働き方改革=残業規制
  • 東京五輪のインフラ整備終了

消費税増税は言うまでもなく消費は冷え込み、ますますデフレに拍車がかかります。

働き方改革というのは、実質的には残業規制による残業代の削減です。つまり、所得の減少ですのでこれもデフレに拍車をかけます。

そして、東京五輪のインフラ整備の終了によりその分の公的支出が減少します。

この3拍子揃ったデフレ拍車によって、ますます日本はデフレに落ち込んでいくというわけです。

それへの対策として本書で挙げられている内容はほぼ三橋TVで語られていることなのでここでは書きません。

黒船MMTの上陸により、財務省のプライマリー・バランス論、緊縮財政に終止符がうたれ、積極財政に転換すること切に願います。

成長の限界 ローマ・クラブ「人類の危機」レポート

ホリエモンは子供のときに百科事典を端から読んでいたそうですが、わたしは高校生・大学生のときに、「現代用語の基礎知識」を読むのが好きでした。ジャンルを問わず気の向くまま読んでいるうちに、「成長の限界」の記事に出会い本屋で買いました。

ドネラ・H・メドウズ『成長の限界  ローマ・クラブ「人類の危機」レポート』(ダイヤモンド社)は、それまでで最も衝撃を受けた本です。この本を読んだ後では、日常のすべてが枝葉末節に思えたものでした。この問題を解決するために、自分は国連事務総長になろう、と思ったりもしました(笑)

大学の卒業論文のテーマには、「成長の限界」で使われているシミュレーション手法であるシステムダイナミクスを選んだものです。普通は、ゼミの担当教授が詳しいテーマを選ぶものですが、それほど衝撃を受けていたのでしょう。

初版が1972年ですから、かれこれ50年近く経っているにもかかわらずまだ増刷されています。

幾何級数的成長の性質と限界

「成長の限界」のテーマは、ずばりこれです。幾何級数的成長、つまり指数関数的成長には限界がある、ということでです。

産業革命以降、ほとんどのものが幾何級数的に成長しています。人口、資源消費量、エネルギー使用量、汚染物質の量など、このままの傾向が続くといずれどこかの時点で人類は、壊滅的に原始時代のような状態に戻る、という衝撃的なレポートです。

本書では、様々なシナリオにもとづき、変数の変化量を変更してシミュレーションを繰り返し、結果を評しています。

「成長の限界」の意義

そのシミュレーション手法や精度には批判がありますし、陰謀論ではローマ・クラブがやり玉に挙がったりしています。ですが、本書は以下のような視点で物事をみることの大切さを教えてくれます。

  • 宇宙から地球を見る視点
  • 生態学的な観点
  • 時間的・空間的により広い視点

IT時代の今からみてみる

直接、地球資源を使用するモノの生産には、自ずと限界があります。100%のリサイクルが技術的に可能になれば、モノの総量は、人口に応じて生産可能かもしれません。

エネルギーについては、再生可能エネルギーをAIで細かく制御することで解決する可能性は大きいと思います。

地球資源を消費しない価値の生産

今後、AIによりモノの生産が自動化され、資源の消費量もAIにより最小化されるときが来るかもしれません。

そのような時代には人類は、学問、科学、文化、芸術、ソフトウエア、ゲームなどの地球資源をほとんど消費しない価値を追求していくのかもしれませんね。

宇宙進出

資源という観点から見ると、宇宙進出をすることにより、その制限から開放されるかもしれませんね。

「希望~日本から世界を変えよう」

大西つねき著「希望~日本から世界を変えよう」(フェア党)を読んだので特に印象に残った部分を書きます。

お金の発行の仕組みを変える

大西つねきさんのメインの主張は、お金の発行を変える、です。お金が借金で発行されていることが、今起こっている多くの問題を引き起こしています。

前提となる知識として、いまお金を直接発行している組織は次の2つです。

  • 政府:硬貨だけを発行しています。
  • 市中銀行:融資という形でお金を発行しています。融資なので、発行したお金には金利が伴います。

日銀はお金を発行しません。日銀は、政策金利により、お金を借りやすくするか、借りにくくするかを調整し、間接的に市中銀行が発行(融資)するお金の量を調整します。銀行が融資するときは、その分のお金をどこかから持ってくるのではなく、単に融資先の口座に融資額を書き込むだけです。要するに何もないところからお金を作り出しています。

お金を発行した時点では、金利分はまだ世の中には存在しません。要するに世の中には金利分が常に不足しているお金しか存在しないのです。したがって、このシステムを維持するためには、お金(=借金)を発行し続ける必要があります。結果として世の中のお金は増え続けてい行きます。

お金の量と実体価値のバランス

お金の量と実体価値(モノやサービス)の量がバランスしていればまだいいのですが、現在は実体価値以上にお金が増えています。数の青線は日本のお金の量(マネーストック)、茶色の線は実体価値(GDP)です。明らかにお金だけがアンバランスに増えています。増えたお金が流通すれば、その分お金の価値が下がる(=物価が上がる)すなわちインフレになるはずですが、日本は20年間デフレです。

フェア党ホームページより

なぜそうなるかというと、増えたお金は流通せずにお金を増やすために使われているからです。金利によってお金は一部の人達に集中していきます。富めるものは何もしなくてもますます富んでいくようになります。

国債の発行

90年代の前半からGDPは増えていません。つまり融資に対する需要がなくなっているため市中銀行の貸出残高も増えていません。

それでもマネーストックが増えているのは、政府の国債という形の借金でお金が発行されているからです。

政府発行紙幣

では現在のお金の発行の仕組みをどう変えればいいのでしょうか。それは、政府発行紙幣によって誰の借金でもないお金を発行することです。

それによって、政府の借金は解決し、その他多くの問題も解決します。詳しくは本を読んでください(笑)。YouTubeの大西つねきチャンネルもわかりやすいです。

世界一の対外純資産

日本は世界一の対外純資産を持っています。

財務省のホームページには円単位で記載されていますが、基軸通貨はドルですので実際はドルで保有しています。したがって、そのままでは日本国内で使うことはできません。

身を削って得た対外資産は使えない形でしか持つことができない、悲しいですね。

憲法9条は世界の宝

引用します。

 私が憲法第九条の堅持にこだわるのは、それが世界の宝だと考えるからだ。何があっても戦争だけは絶対にしない、そんな憲法を持った国は他にはない。それが制定された経緯など、どうでもいいことだ。それが現存し、日本のような大国の憲法として機能していることが大事なのだ。今は現実離れした理想かもしれない。だから矛盾も生ずる。だが、この理想を捨てずに持ち続ければ、それはいつか必ず世界を変える足がかりになる。何故なら、どこかの国が最初に武器を捨てないと、それは永遠に起こり得ないからだ。
こんなことを言うと、平和ボケと言う人がいるだろう。そんなことで、どうやって国を守るのだと。だが、我々が守るべき国とは何だろう?人ではないのか?私は、それを平和ボケと言う人こそ、平和ボケなのではないかと思う。どんなことが起きても、絶対に人殺しなどという醜い行為は誰もしたくないのだ。その醜さを本当に知らないから、そんなことが言えるのではないか。平和ボケと言う人は、国家の権益や国土を守るために人を殺しに行くのだろうか?申し訳ないが、私なら真っ平ご免だ。国土が侵略されようが何が起きようが、自分で行くのもイヤだし、人にも行かせられない。弱腰、臆病者、何と言って頂いても構わないが、国民に人殺しをさせてまで守らなければいけない権益などあるとは思わない。マハトマ・ガンジーはかつてこう言った。「There are many causes that I am prepared to die for but no causes that I am prepared to kill for.(喜んで命を捧げる大義は多くあるが、人を殺す大義など存在しない。)」正にその通りだと私は思う。
我々の憲法九条の凄いところは、何が起きても国家が自国の国民に、人を殺しに行けとは絶対に言わないと明言していることなのだ。国体の維持など捨てたとしても、とにかく人々よ、戦争なんかで死ぬんじゃない、それが憲法第九条のメッセージである。国家が発するメッセージで、これ以上のものがあるだろうか?全く何と素晴らしい条文だろう。これを作った方々に敬意と感謝を捧げたい。これをどうして変えようなどと思うのか、私には全く理解不能である。

我々の覚悟

本書の中で提案されている政策を実行するには、日本が実質的に独立国になる必要があります。アメリカの属国の立場では、できないことがほとんどです。さらに国際金融資本とガチで喧嘩しなければなりません。

そのためには、日米安全保障条約を破棄し、そのことによって日米地位協定を廃止し、在日米軍を一層しなければなりません。その上で、あらためてアメリカと同盟を結ぶか。あるいは武装するか、非武装にとどまるか。

全ては我々一人一人の覚悟にかかっている、と著者の大西つねきさんは言います。

幸い世界的に金融システム改革の機運が高まっているそうです。文明という船が大きく舵を切っているときだと思います。このような時期にあって時流に乗るとはどういうことか、深く考えたいと思います。

文明の盛衰サイクル

文明の盛衰サイクルには法則がある、という考えがあります。考えというよりも厳然たる事実といってもいいと思います。文明の盛衰サイクルについての3つの見方について書きます。

  • 文明法則史学
  • ガイアの法則
  • ユガ(インド哲学)

文明法則史学とは

文明法則史学とは、村山節(むらやま みさお 1911年~2002年)さんが発見した文明の盛衰サイクルに関する法則です。簡単に言うと、東西文明の興隆時期が800年毎に入れ替わっており、各文明の周期は1600年になる、というものです。 私がまだ20代前半のときに村山節さんの本を読んだときは、仰天したものです。

文明法則史学によれば、西暦2000年頃を境目に、西洋は衰退していき、東洋は興隆していきます。

ガイアの法則とは

ガイアの法則とは、千賀一生著「ガイアの法則Ⅰ」 「ガイアの法則Ⅱ」にかかれている文明の盛衰サイクルについての法則です。ガイアの法則によれば、人類文明はまるで物理法則のようにその焦点を移動しながら盛衰を繰り返しています。本書は、著者の意識が過去にタイムスリップしてシュメールの神官との会話を通じてガイアの法則を知っていく、という構成になっています。 ガイアの法則を簡単に説明すると次のようになります。

  • 1つの文明の盛衰の周期は、地球の歳差運動周期25777年の1/16である1611年である。
  • 地球上の文明の焦点は、地球の円周360°を1/16した22.5°毎に移動する。
  • 東回り周期と西回り周期がある。一方の周期が興隆しているときは、他方の周期は衰退している。
  • 1/16のリズムは、文明の盛衰以外にもみられる。
    • 身体バイオリズムは、1年365日の1/16=22.8日
    • 睡眠のリズム90分=24時間(1440分)の1/16
  • 現在は、 地球の歳差運動周期25777年の中でも最も変化の大きな時期にあたる。
  • 1995年を境に、文明の焦点は西洋から東洋に移っている。その地点は東経135°(日本標準時子午線)である。価値観的には、分離・対立から融合・調和へ変化する。
「ガイアの法則Ⅰ」より

ユガとは

Wikipediaの「ユガ」から引用します。

ユガ(Yuga)は、インド哲学において、循環する4つの時期からなる「時代」の名前である。4つの時期とはサティヤ・ユガ(英語版)[1]、トレーター・ユガ(英語版)、ドヴァーパラ・ユガ(英語版)、そして最後にカリ・ユガである。

さらに、スワミ・スリ・ユクテスワ著「聖なる科学」から要点を書きます。

  • 太陽は、対になる星の周りを周回しながら宇宙大中心の周りを周回している。
  • 太陽は対になる星の周りを1周24000年で回っている。
  • 太陽が宇宙大中心に最も近づいたとき人類は知的・精神的・物質的に最高点に達する。図の最上部。
  • 太陽が宇宙大中心から最も離れたとき人類は 知的・精神的・物質的に最低点に達する。図の最下部。西暦500年。
  • サティヤ・ユガ の長さは、前後の移行期400年プラス本格期4000年で、合計4800年。ただし、サティヤ・ユガ は上昇期から下降期へ連続するため実質9600年となる。人間は、宇宙のすべてを理解する。
  • トレーター・ユガの長さは前後の移行期300年プラス本格期3000年で、合計3600年。人間は、宇宙の「磁気的力」を理解する。
  • ドヴァーパラ・ユガの長さは前後の移行期200年プラス本格期2000年で、合計2400年。人間は、宇宙の「電気的力」を理解する。
  • カリ・ユガの長さは前後の移行期100年プラス本格期1000年で、合計1200年。ただし、カリ・ユガ は下降期から上昇期へ連続するため実質2400年となる。 人間は、目に見える物質しか理解できない。
  • 現在は、上昇期のドヴァーパラ・ユガにある。
WikiPedia「ユガ」より

約15000年前から始まったとされる日本の縄文時代は、 サティヤ・ユガのほとんどをカバーすることになります。 縄文時代の遺跡には、争った跡が見られないのもうなずけます。

伝説のアトランティス文明は、12000年前に突然の地殻変動で滅びたとされていますので、 サティヤ・ユガになりますね。

世界最古とされるシュメール都市文明は、紀元前3500年からとされているので、 下降期のトレーター・ユガにあたります。

類似性

文明法則史学、ガイアの法則、ユガの類似性について書きます。

1600年周期

文明法則史学では、1つの文明の盛衰サイクルは1600年とされています。ガイアの法則では、1611年ですのでほぼ一致しています。また、東西文明が800年で入れ替わるのも一致しています。

大周期

ガイアの法則では、地球の歳差運動周期25777年が文明盛衰の大きなサイクルとしている一方、ユガでは24000年です。誤差は約7%でほぼ同じとみてもいいかなと思います。もっとも、ユガの24000年の根拠は太陽が対の星を一周する期間とされていますので、地球の歳差運動周期とは異なります。

文明の中心は西洋から東洋へと移行する

文明法則史学とガイアの法則では、これから文明の中心は西洋から東洋へ移行するとしています。特にガイアの法則では、東経135°とピンポイントで示しています。

ユガでは、東西文明をわける考え方はないように思います。

3つを総合すると

文明法則史学、ガイアの法則、ユガを総合すると次のように言えるのではないでしょうか。

  • これから文明の中心は西洋から東洋へ移行する。特に、東経135°つまり日本が文明の中心となる。
  • 分離・対立の価値観から融合・調和の価値観へ移行する。
  • 人類は精神・物質の両面において進歩の過程にある。

ユガにおいては、人類は進歩してもいずれまた衰退していくことになります。これはなんとも残念ですが、失われた古代文明の伝説やオーパーツのことを考えるとあながち否定できません。

できれば大きなサイクルを描きつつも、螺旋状に進歩を続けてほしいものです。

ガイアの法則と人類の意識進化

ガイアの法則とは

ガイアの法則とは、 千賀一生著「ガイアの法則Ⅰ」 「ガイアの法則Ⅱ」 (ヒカルランド)に書かれている人類文明の周期的盛衰に関する法則です。簡単にまとめると、次のようになります。

  • 人類文明は、地球の歳差運動周期に従って盛衰を繰り返す。
  • 文明は、地球の周囲360°を1/16した地点(22.5°)にごとに焦点を移動していく。
  • 1つの文明が発展し衰退する周期は、地球の歳差運動周期25777年の1/16である1611年である。
  • 文明の焦点の移動は、東回りと西回りがある。
  • 東回りの文明が発展期にあるときは、西回りの文明は衰退期にある。その逆も言える。
  • 西回りの文明が栄えるときは物質文明が発達し、東回りの文明が栄えるときは精神文明が発達する。
  • 現在、文明の焦点は東経135°に移動している。それは東回りの文明である。
  • 進歩的な人々の意識は変わり始めているが、社会の変化はそれよりも遅れる。
  • 現在は、 地球の歳差運動周期25777年の中で最も大きな変化が起こるとき。

変化の兆候は100年前から

「ガイアの法則Ⅱ」に下記の記述があります。

あなた方の文明の転換は、文明の転換の始まりとして認識されないままに潜在的には約100年前からすでに始まっている。

「ガイアの法則Ⅱ」 では、その例として日露戦争について書かれています。日露戦争は、東洋の小国が、当時世界最強のバルチック艦隊を持つロシアに勝ったということで、今後の文明の転換を象徴する出来事だったと位置づけています。

この、文明の転換は100年前から始まっている、ということについて、私が気づいた出来事があります。それは、非二元の体現者たちの出現と量子力学の確立です。

非二元の体現者たち

まずは、私の愛読書の一つである「存在することのシンプルな感覚」の訳者あとがきから引用します。

今、わたしたちは、ある意味では非常に幸運な時代を生きている。というのは、ウィルバーがここで示しているような「非二元」(思想でも宗教でもないので、こう呼ぶしかない)、すなわち「二のない一」の体現者(本当はすべての人がそうなのであるが)が多く現れて、シンプルに、直接、わたしたちを導いていくれるからである(また、ある種の同期性が働いているのか、今、このような「目覚め」に自然に導かれる人も数多くいる)。
 「二のない一」の体現者とは、例えば『パワー・オブ・ナウ』のエックハルト・トーレやD・E・ハーディング、あるいは、ウィルバーがよく引用するウェイ・ウ・ウェイ、プーンジャとその弟子のガンガジー、ニック・アルダウ、といった人たちである。特にこの人たちと、その少し前を生きた、ウィルバーが「傑出した」と呼ぶラマナ・マハリシ、ニサルガダッタ・マハラジ、さらにはラーマクリシュナのような人たちとを合わせれば、二〇世紀は確かに人類にとって惨害の世紀であったかもしれないが、あるいはそれゆえに、「スピリチュアリティ」の復興の時代でもあったと見えてくるのである(付言しておくが、「スピリチュアリティ」というのは、「星占い」や「血液型」、あるいは「誕生星」や「背後霊」、「世界の終末」などにはまったく、あるいはとりわけ関係がないと言ってさしつかえない)。勿論、ここに鈴木大拙、鈴木俊隆、柴山全慶、安谷白雲のようなすぐれた禅の老師たちも含めるべきであるし、中国から逃れて全世界に散った素晴らしいチベット仏教のリンポチェたちも含めるべきである(チベット仏教に関しては、日本ではおよそもとのものとは似ても似つかぬものになってしまったのだが)。奇跡とも見えるのは、これらすべての人たちがその核心において、まったく同じことを言っているということである。そしてケン・ウィルバーは、その著書『無境界』以来、この教えをもっとも明快にわたしたちに届けてくれた、その最初の人なのである。

この引用の中で挙げられている非二元の体現者とその生年を一部リストアップすると次のようになります。

  • 鈴木大拙……………………………… 1870
  • ラマナ・マハルシ…………………… 1879
  • 安谷白雲……………………………… 1885
  • 柴山全慶……………………………… 1894
  • ニサルガダッタ・マハラジ………… 1897
  • 鈴木俊隆……………………………… 1904
  • D・E・ハーディング………………… 1909

このように、1900年前後に生まれたかあるいは人生の生産的な時期を生きています。このような人たちが約100年前に比較的集中して現れているということは、すなわち、精神文明への転換のはじまりを象徴している、ということが言えると思います。

量子力学の確立

次に量子力学の確立に貢献した物理学者についてみてみましょう。

  • マックス・プランク……………………… 1858
  • アルベルト・アインシュタイン………… 1879
  • ニールス・ボーア………………………… 1885
  • エルヴィン・シュレーディンガー……… 1887
  • ボリス・ポドリスキー…………………… 1896
  • ヴォルフガング・パウリ………………… 1900
  • ヴェルナー・ハイゼンベルク…………… 1901
  • エンリコ・フェルミ ……………………… 1901
  • ポール・ディラック……………………… 1902
  • 朝永振一郎………………………………… 1906
  • 湯川秀樹…………………………………… 1907
  • ネイサン・ローゼン……………………… 1909
  • デヴィッド・ボーム……………………… 1917

このように、やはり1900年前後に集中しています。これにより、量子力学が文明の転換を象徴しているということが言えると思います。量子力学により科学技術は爆発的に発展しました。とりわけ電子工学ひいてはコンピュータの発達が顕著です。

量子力学は科学技術の発達に大いに貢献しましたが、量子力学についてもう一つ忘れてはいけない重要なことは、物質と意識は分離して考えることができない、ということを示したことです。そして、一部の物理学者は東洋思想へと傾倒していきました。

量子力学が文明の転換を象徴しているとすると、コンピュータの発達と東洋思想が今後文明の発展を牽引していくと考えられます。

コンピュータの進歩は人工知能のブレークスルーを生み出しつつあります。人工知能研究は、意識の問題を避けて通れません。それを突き詰めて研究していけばいずれ、東洋思想や非二元といったものに行き着くのではないでしょうか。

ガイアの法則通りこれから精神文明の時代が来るのかもしれません。